弱音の星
かぜの通り抜ける夏の日射しを思わせる平日に、つまらない憧れを数えてる。
汗を拭って朝の道を走ってバスに飛び乗る
なかなか会えなくても誕生日を祝おうって女子で集まることに、夕暮れの街へ急ぐ。
やっと合ったタイミングで約束を、心を落ち着けながらこれってデートなのかな?
この夏の計画に踊る心についつい笑顔で、洋服にあれやこれや揃えてく。
仕事にも身が入るのは週末の予定のせい、言葉の端々が弾む。
忙しくなればなるほど、時間をめいっぱい有効に使えるんだよねー
平日休みは早くから街へ出る、回りきれるかな。人の少ない街は清々しい。
おいしい食事と笑顔と会話があれば、一日の締め括りは花丸印○
今のわたしには、とてもとても遠い尊いことばかり。
遠回りばかりしている意味が、近道する裏技があったのならば、報われるのかなあ?どうだろうね。健康で丈夫であったのなら抱えているものの大半は、影も形もなかった。足踏みはせずに若さと勢いで、夢に希望に恋に一直線。
答えは出ないの。大丈夫、大丈夫!と言ってはみるものの、果てしないその壁を越えてゆけるのかと臆病になる私の中の私を消せないでいる。とんだ大役を仰せつかったものだわ。自信過剰でいいかげんで、我が侭で辛抱できない小心者の自分に務まるんだろうか。
真夏の昼間に海に行くなんて、馬鹿な真似はしません。この体を持て余している日常に、ひかりを求めては深呼吸。鏡の前では、顔をゆがめて苦笑いと満面の笑みをくりかえしているのです。
・・・
しっぽのない未完の星です。漂っていることすら地球の君は知らないままかもしれません。それでも僕は消えないのです。あやふやな輪郭だけれど、耳障りな音波で軌道を滑りながら。
滴と滴がいつのまに水色の海を生み出して
初めてさざ波が撫でていった夜のこと、僕は忘れないよ。あんなに美しい夜に潜む海をみたことがなかった。息をのんで、水に足を浸して、君の星にキスをした。