「夢で逢いましょう」を観ています。家族のドラマは好きなものがいくつかあって。「長男の嫁(古い?)」「末っ子長男姉三人」などなど。この2つはお嫁さんが二世帯住宅や同居で彼のお家にはいって、家族になっていく話の展開で、またちがっていますが。
 「夢で逢いましょう」は結婚してどうこうよりも、結婚もそう遠くない年頃の娘と 仕事で全国を赴任して長いこと離れて生活してきた父親が、妻の死をきっかけに再び一緒に暮らすところから。父と大人になった娘の衝突や今だから分かり合えることも。仕事や恋愛、日常に埋もれてしまいがちな大事なことと、永遠につづくわけじゃない家族との暮らし。
 いつも意識していて大切にすることも、面と向かって温かい言葉をかけることも、感謝の気持ちを表すことも、照れくさくて思っていてもあまりできていない…私もその一人です。


 私の両親はそれぞれ妻と夫を亡くしていて、縁があって幼い息子と娘(それが兄と姉です)を連れ再婚しました。 そして両親の間に生まれたのが私です。父はその時40で末っ子だということもあってか、私をとても可愛がってくれました。大きくなってからは何でも話したりはしなかったけれど、愛情をちゃんともらって育ちました。
 若くして会社を立ち上げた父は昔から忙しく、でも家に苦労を持ち込んだりする人ではなかったので、今になってわかる大変な努力と責任の重さが沢山あったのだと思います。 母もそんな父を支え子供達を育てるのに、夜遅くまで何年も働き必死でした。私達の為であってもイライラして完璧主義の母が、すごく嫌だったこともありました。 物心ついた頃には姉と兄は学校で忙しくて父と母は仕事で、夜遅くまで一人で留守番しているのには慣れっこでした。
 ただ慣れてしまった分、思春期になって家族とどう接したらいいのか分からなくなったりしました。寂しい思いをさせないように両親が色んな所に連れて行ってくれてたのも、覚えています。


 去年の秋 父が胃がんになり手術をしました。それを私に話そうとして泣き出した母と「なに泣いてんだ」と言って笑った父の顔が今でも忘れられません。
 父は術後もきちんと生活を送り、順調に回復しました。今では元の量を食べられ、お酒もほどほどに飲めるようになりました。
 父は63歳、母は55歳になりました。二人とも家族の為、会社の為にめまぐるしく生きてきてやっと自分たちの健康のことを考えられるようになって。今心配をかけているのは、まだ一人で生きていく力のない私だろうと思います。
 一日でも早く健康になってひとりで生活しようと、ちゃんと親が元気なうちに伝えたいことも、山積みではあるんだけれど。


 父とこのドラマを笑ってみている時間を、なんとなく考えたりしています。
 とにかく親より元気にならなくちゃ。

 ユーミンの「ついてゆくわ」もいいですね。
 「やさしさに包まれたなら」もずっとずっと大好きです。