10月の暑さに空をうたがいながら、街を歩きまわった。次々と試着してみては、イメージと照らし合わせ、鏡の自分に訊いてみて。
 水色の袋にえらびぬいた秋服を、抱えて。 この秋からは少しずつ私の生活をとりもどせる。会いたいひとと行きたい所を浮かべて、服をえらんだ。すぐ先の未来に思いを馳せたら、嬉しさが込み上げて、暗くなる空に向いて呼吸をした。
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