キキのホウキ

親友と電話をすることって頻繁にない。近頃あまり会っていなくて、たまに電話をくれる。どんなに月日が空いても、私たちは会うと長くゆるりと時間をつかっているから、それがごろごろ居心地よく馴染んでて、用事のない電話をするのは多くはなくて。
定期的とゆうわけでもなく、不自然にでもなくて。なんかね、すごくいいペースで羽を休められてる。不充分なことは何一つなく、伝えたい聴きたい交わしたいことに、ことばも耳もこころもちゃんと追いついて話せている。わかるかな?この感じはとてもラヴなものだよね。


ふとしたときに気づきがあった。
最近のわたしはよく「がんばれがんばれ」って声にしてつぶやいてる。自分に向けて。もしかしてもっと前からゆっていたのかも知れないけど、最近気づく様になったの。自動車学校で実技の予鈴がなって、教習車に向かうときとか、バイトの休憩明けとか、だれかと待ち合わせてる場所にあとちょっとの距離で。とか。私、それがすごく言ってて力が生まれてくるから好きで。力が空回りしすぎない、気負わずにがんばれるから。
がんばってるよ、がんばってるからこそ そう 言われるのにカチンときたり逆なでされたり、してきたけど。違うんだよね、そうじゃなかったんだよね。透明の空気みたいに背中を押してくれる人は確かにいて。例えば自分でだって、過不足ない魔法のかけかたを知ってるんだ。それができたなら、きっとホウキでもデッキブラシでも飛べるの。
僕らは知ってて生まれてきて、知っててそれをさがしてる。