誕生日以外はどんな祝日だろうときっと何でもよくって、好物のエビフライとかがテーブルに並ぶのを期待していた。子ども心に、そんなことばかり考えてたあの頃。 母がいつもより優しいとそれだけでホッとした。


 22歳の5月5日

 父と母と姉と4人で、おすしを食べにいってきた。

 塩釜にあるおすし屋さん、仙台に住んでいても食べる機会なんてほとんどない。
 (姉は今日が4度目だと言っていたけど。)

 待っている時間もうきうきで、新鮮で綺麗なにぎりが目の前に並んだら子どもの頃とおんなじで。
 もちろんとびきりおいしくて、一つ一つの素材の味や力ってすごいものがある。


 そうゆう食べ物には、人を元気にする幸福にする力が宿っている。


 母は今、できる限り無農薬野菜を作っていて
 私も口に入れるものの実態や選ぶことをだんだんと知った。

 それで初めて野菜の味やおいしさを感じたし、
 それを料理する人の想いや、いただく人の気持ちひとつで、食べることを
 よりいっそう、おいしく 楽しく 幸福なものにしてくれる。


 うちの食卓も、たまにお店で食べる食事もごちそうなのだ。


 おなかいっぱいになった帰り道「またいつか食べに来たい」と思うのと同時に、それは家族(兄も一緒に)であったり本当に大切なひととがいいって…心に浮かんだ。