さて、夏フェスのチケットも取れたことだし体調を整えておかなくては。
 専門を卒業して約2年と2ヶ月…。
 生まれつきアトピーではあったものの、日常生活に支障があるほどじゃーなかった。高2の春、ちょうど紫外線が強くなる今頃紫外線アレルギーになってしまった。そこから先は、みるみる階段を転げ落ちるようにしてだんだんとでも確実にひどくなっていった。何もかもその所為とは言い切れない。けれど、使える化粧品がなくなって、手足がいつも冷えていて、肩や頸がなんだか重たく、アレルギーも増えかゆくて眠れない日も疲れが抜けない日も増えていった。
 春から秋にかけては父に朝早く学校へ送ってもらい、休み時間の度に日焼け止めを塗り直し、帽子を深く被っては下を向いて日陰まで走って歩いた。努力してもひどくなるばかり。保健室で氷をもらってそれで火照った顔を冷やしながら席についているだけ、それさえも辛い。窓際だからカーテンを閉めてもらって「友達はいいけれどみんな迷惑しているんだろうなぁ」とか。強い薬を毎日ベタベタとだんだん全身に塗るようになった。
 独りで泣いても、みんなといたら笑うしかない、開き直るしかできなかった。がんばりたいのに投げやりになってしまった。
 やりたい事は山ほどあって、それに向かうために時間とエネルギーを費やしたいけれど、季節なんか関係なく24時間身体の事ばかりになった。ほんとうは当時付き合っていた彼ともっと一緒にいて苦しいって言えばよかったのかも。二人で東京で暮らして、お互いの夢を叶えたいなんて電話で話したこともあった。海に行きたい、お泊りも、今しかできないことも、普通にしたいよ…ってどうしても考えてしまう。若くて健康で当たり前、誰も代わってはくれないこんな自分には良い所なんて一つも無いように思えた。薬を塗り重ね掻きむしった肌にはいつのまにかあざのような痕が残っていた。
 専門に入ったらもっと辛かった。身体もだけど、就職も決まらずフラフラ家に居るわけにもいかなくて「どうにでもなれ」と興味もないのに母の進めにのった学校。もちろんそんなんじゃクラスでも浮いて、友達ができても腹を割って付き合えなかった。コンビニやファミレスで気軽に食べられない。たまに泊まりに行ったりすれば、一晩中かゆくなりあげく体調を崩した。 両親にもお金を出してもらっているのに、やりたいことにも真直ぐ向かえなかったくせに、そうするとどんどん自分を責める悪循環。それって自分にしか跳ね返らない。
 なんとか卒業したけれど、専門に入るのと同時に始めたケーキ屋さんのバイトもどんどん身体を悪化させた。当たり前の仕事さえも、好きなのに楽しいのに体がゆうことをきかない。前向きに辞める事を決心して、ひと月位休んだ。その後、憧れのお店で働くことになった。正直、受ける時点で薄々気づいていた。色んなことが零れ落ちていって、限られた小さな希望でも探さなければ保てなかったから。だけど、そろそろ限界だって。
 結局あまりお店にも立てずに辞めてしまったんだけど、それで今の私がある。今の家族がある。20歳になったばかりの9月のこと。

  • 少し気をつけることはあっても健康な普通の生活が送れる体にする。

 散々悩んで泣いて両親と話し合ってだした答え、私の人生できっと一番の回り道、だけど何をするのにも結局は一番の近道。通らなければならない道なのだと思った。
 決して楽な治療ではなかった。ごまかし続けた身体は、それだけボロボロだったから。原因はひとつじゃないと思う。野菜が大嫌いだった小さい頃食べたインスタントやお菓子(添加物もたっぷり)。中2の野外活動で晴れた雪山登山をして、ひどい雪焼けと熱を起こした。バイトでもらう甘いもの。何年も使い続けた薬。…耐えきれずに噴き出したそこまでの私の体質。 いくらでも思い当たったし。
 でも22歳5月13日今思うこと。取り戻せないことも、諦めざるを得なかったこともあるよ。アトピーによるものじゃなくても、誰にでもあると。だけどあのまま無理をしていたら、支えてくれる家族や友達や好きなひとがいなかったら…。こんなに幸せだということにも、治したいと望む気持ちにもたどりつけなかった。今でも口にすると涙がこぼれる。でも、父が今でも会社にいて働いて、母が野菜を作ってパートをして 私に合うもの効くっていうもの沢山探してきてくれた。兄も姉も心配してくれている。数少なくても私にしたら多いかなって思う親しい友達も、みんな優しい。みんな大好き。小学校から支え続けてくれたMr.Childrenの音楽もある。 そして確実に治ってきている、時間はかかるけれど。
 甘えて感謝して笑っていようと思うんだ。泣き虫だけど、自分を責めても申し訳ないなんて思ってもそういう気持ちに飲み込まれちゃうだけだから。それよりありがとうをかえしていく、意味なんかなくても今の私にできること、歩む道、人とのめぐり会わせがある。今までだって、そう あったのだから。
 いや〜書きすぎでしょ。さあて、寝ますか!!