月がみていた。

 23時頃、家を出た。自転車でふらりと小さな青い荷物を積んで。「カチャン」と玄関のドアが閉まる音が冬のくうきに響いて、またシンとした。そっとスニーカーで4歩5歩の所で、あかるい宙を見上げた。するとあたしの天上にはお月様があって、涼しいきいろを帯びたしろ色で黙っていた。よく冷やしたシュークリームみたいで、おいしそうだった。
 ちゃんと星のひかりも届く、きれいな夜。所々雪が凍ってる道路を自転車でいく。