空が高い

先週自動車学校に入校して、今日からいよいよ学科と技能がはじまる。どきどきするーいきなり車乗れるんだろうか、でもすっごく楽しみで今から。
12時、ここから見える空は高い。白い雲がきもちよさそうに泳いでいる。風が時折、木の葉を揺らして、あたしは気温とこの雲を見上げて何着てこうかと考える。
家を出る直前ににわか雨が降りだした。赤い傘をさしてシャワーみたいな透明の雨のした、急ぎ足で歩く。傘からでた腕に照りつける陽はつよく、とても熱い。
技能は思っていた以上に楽しかった。もっと回数を重ねて、早く感覚をつかみたい。学科は覚えきれるのかなぁと、なにやら不安だけれど。学生が多くなる夏休み前にどんどん通っていこう。17時に運転した時と最後の授業を担当した、教官の人にちょっとドキドキ。教え方と耳にやさしい声のテンポはぐっとくるよね。その人のうなずき方や相づちの仕方がたぶん、ここちよかったんだと思う。
すこし早く学校に着いたから、待合室の椅子に座ってぱらりと原簿をめくってみた。適性検査の結果と気をつける点、解説なんかに目を通す。でも癖とか性質ってここに書いてあるように意識しても、なかなか直る(というか良い方向にもってく)とは思わないな。あくまで教習を受けていくのに、運転をするのに、ポイントを押さえて教えやすかったり、ここに重点をおくといいよ、自分を知っておくといいよ。って神経質じゃなく親切なものなんだろうけど。それはまあさておき。 
視力が落ちていたのにとてもショックを覚えた。専門学校(つい4年前)の健康診断でも両目1.0はあったのに。今度の検査では左0.7の右0.4だった。自分はとても目(視力)がいいとずっと自信があったから。それは過信しすぎだとしても「0.」と付くと、ええ そんなに!と。
不便は今のとこない。遠くの時計が見にくいこととかはあるけれど、ひとの肌の質感もよく見えるし、星の白い光もぼやけず見つけられる。すきな人の顔や手やそういうのは、ずっと近くでひとつもこぼさず見てたいな。でもすきな人はちょっと目が悪くて、あたしをぼんやり手さぐりで見ていてくれたらな。どうしてかそんなふうに思う。自分のはショックなのに、恋人の曖昧な物の見え方は魅力的に感じる。好きな様なピントで、なんでもかんでもくっきり映すんじゃなく。そう、柔らかな光に溶けこむ様にあたしを映しててほしい。でもそれがどんな見え方なのか、今の私には分からないけれど。